一度いなくなった彼女を

つなぎとめた時、まるで熱帯雨林の囲まれたような生い茂った生命の潤いを感じた。そうか、砂漠に佇むようなドライな毎日を乗り切ろうと割り切ってたんだ。本当に帰ってくるとわかってほっとしたんだ。会いたかった。本当に。影で一人涙が出る。

 

湿り気を帯びた空気を肺いっぱいに吸い込む。息を思い切り止めて一気に吐き出したようにハァハァと息遣いが聞こえる。プハァて水から出た時みたいだし。あきらめてた。でも願ってた。願ったらかなった。えんちゃんを近くに感じる。でも欲に続きがあって、独り占めしたいんだ。今までみたいに。